物語

墓守りクロール …3

ベルは生前、墓地近くの裏路地でBARを営んでいた。仕事柄、出逢いの多い彼女は、恋もまた多かった。自らの死後、大好きだった彼達が少し気になる程度だったのだ、、初めは…。

いつの間にか町にいる死んだ友人と会う度に、彼達の新情報を手に入れていた。この過激な行動は、彼達観察を日課とする危ないオカマを生んだのだ。ストーカー的行動だが、彼女は自称「探偵」を名乗っていた。

クロールさん、この人は本当に大丈夫ですか?聞けば聞くほど怪しい人ですが…。

何よ、その言い方!顔が良い女はね、性格が悪いって、相場で決まってるわ!ねぇ、クロールちゃん…まさか、この小娘の手伝いをしろって言わないわよねぇ。

そのまさかなのです、ごめんなさい。僕には、ベルさんしか頼れる人がいないんです。また、町へ行ってみんなにコソコソ言われると思うと…僕の身が持ちそうにないです。

ベルは少し考えたが、答えはすぐに出た。

もう、私を求めちゃって。しょうがないわね、クロールちゃんの頼み事だから聞くのよ、小娘!いいわね、勘違いしないでよ!

クロールはリリーがなぜ、死んだのかを探っている事をベルに話した。

なるほどね…。ホズミック・クリニックに私の知り合いがいるから、1度その子に聞いてみるわ。明日の朝10時に、またここに集合って事で!

ベルはそう言うと、化粧直しと外向き様の服に着替えて、ニコニコしながら町へと向かった。多分、彼達にも会うのだろう。

本当に任せて大丈夫なの?

はい、ベルさんは一流の探偵です!ああ見えて、お節介で優しい方なので。リリーさんも今日は休んで下さい。僕はとても疲れました…ハァ。

そして、クロールは墓地の中にある道具小屋へ戻っていった。

次の日。

昨日と似た悪夢を見たクロールは、うなされながら最悪の朝を迎えた。

ベルさんが、何も情報を掴めなかったらどうしょう…。また町中を歩き回される。

と、マイナス思考になっているクロール。だが、、

クロールちゃん、ここにいたのね。時間になっても来ないんだから、もう…。家に来ちゃった!わかったわよぉ~お、リリー・マーガレットの最後が!

名探偵ベルが、しっかり仕事をしてきたのであった。

[第9話-3]