ベルは生前、墓地近くの裏路地でBARを営んでいた。仕事柄、出逢いの多い彼女は、恋もまた多かった。自らの死後、大好きだった彼達が少し気になる程度だったのだ、、初めは…。
いつの間にか町にいる死んだ友人と会う度に、彼達の新情報を手に入れていた。この過激な行動は、彼達観察を日課とする危ないオカマを生んだのだ。ストーカー的行動だが、彼女は自称「探偵」を名乗っていた。
クロールさん、この人は本当に大丈夫ですか?聞けば聞くほど怪しい人ですが…。
何よ、その言い方!顔が良い女はね、性格が悪いって、相場で決まってるわ!ねぇ、クロールちゃん…まさか、この小娘の手伝いをしろって言わないわよねぇ。
そのまさかなのです、ごめんなさい。僕には、ベルさんしか頼れる人がいないんです。また、町へ行ってみんなにコソコソ言われると思うと…僕の身が持ちそうにないです。
ベルは少し考えたが、答えはすぐに出た。
もう、私を求めちゃって。しょうがないわね、クロールちゃんの頼み事だから聞くのよ、小娘!いいわね、勘違いしないでよ!
クロールはリリーがなぜ、死んだのかを探っている事をベルに話した。
なるほどね…。ホズミック・クリニックに私の知り合いがいるから、1度その子に聞いてみるわ。明日の朝10時に、またここに集合って事で!
ベルはそう言うと、化粧直しと外向き様の服に着替えて、ニコニコしながら町へと向かった。多分、彼達にも会うのだろう。
本当に任せて大丈夫なの?
はい、ベルさんは一流の探偵です!ああ見えて、お節介で優しい方なので。リリーさんも今日は休んで下さい。僕はとても疲れました…ハァ。
そして、クロールは墓地の中にある道具小屋へ戻っていった。
次の日。
昨日と似た悪夢を見たクロールは、うなされながら最悪の朝を迎えた。
ベルさんが、何も情報を掴めなかったらどうしょう…。また町中を歩き回される。
と、マイナス思考になっているクロール。だが、、
クロールちゃん、ここにいたのね。時間になっても来ないんだから、もう…。家に来ちゃった!わかったわよぉ~お、リリー・マーガレットの最後が!
名探偵ベルが、しっかり仕事をしてきたのであった。
[第9話-3]